2006年8月30日水曜日

農業経済の大泉一貫先生に誉められてしまった! 「おそるべし」だって!



これ:
大泉一貫の日記 余丁町散人のブログ『農業問題』を探索してたら、2004年7月8日付のクローズアップ現代への批判があった。
7月7日に放送された、「NHKクローズアップ現代「変わる農業、企業参入の行方」……でも本質的には何ら変わってないよ」という、題。ゲストに招かれた 農業経済(?)の先生は、それには「国民的議論が必要です。今は何も出来ない」と逃げていたが、資産売買の自由は憲法で保障された国民の権利だ。農地法がおかしいのである。

確かこの番組では、「これで農業が変わるのでしょうか?」の質問に、「いや」と答えたと記憶している。ここで国谷さんは、ちょっとづっこけた振りをしたはずだった。その農業経済?の先生は私です。
余町散人おそるべし。"
あの先生が大泉先生でしたか! 権威がおしゃっているのだから、ニッポンの農業はなかなか変わらないという散人の実感は裏付けられた!

ニッポンの農業を取り巻く問題は、ニッポンの問題そのものでもある。ニッポンの農業が変わらないと、ニッポンも変わらない。で、ニッポンは国際競争に取り残されると思う。

2006年8月29日火曜日

なぞなぞ(人種差別系):「どうして日本の奥様は笑う時に手で口を隠すのでしょうか?」(ウクライナの外人妻)


今晩の馬鹿番組「奥様は外国人」から。地方のウナギ屋の息子と結婚して豪邸に住むウクライナ出身の奥様の素朴な疑問(地方のウナギ屋は儲かるみたいだが、それは別にして、この奥様の素朴な疑問が興味深い)。回答役の武田鉄矢は「日本人は内臓を晒すのは恥ずかしいと思うのだ。口を大きく開けるのは”尻のアナの奥”を晒すのと同じことなのだ」と強引に外国人妻をねじ伏せた。果たしてそうか?


要は、日本人は歯並びが悪いからそれを隠すことが習慣になっただけ。これは日本だけの肉体的特徴であり、習慣でもある。半島でも大陸でもそう言うことはない。これについては竹内久美子の「学術的」説明がある:

Letter from Yochomachi: 「関西人には出っ歯が多い」(竹内久美子);


べつに「自虐的な」学説を言っているわけじゃない。事実を事実として認識することが日本人には欠けていると云うことを指摘したかった。これができないことが夜郎自大的な「ニッポンは世界一」という自己満足につながっている。

ネットに横行しているアホなニッポン・ナショナリストの近隣差別的な発言には吐き気を催す。遺伝的特性だから個人の責任ではないが、国際的人として発言したいなら、せめて歯列矯正をしてから言ったらどうか。

2006年8月25日金曜日

「豊かな日本人が不安感から抜け出せないのは食生活に恰好を付けるため」(岡部弘)



今晩の日経夕刊の第一面の「あ すへの話題」コラム。デンソー会長の岡部弘氏が、実に良いことをおっしゃっている。忘れないうちに、メモ。

抜粋:
  1. イギリス経済は日本経済を上回る成長を続ける。イギリスの成功の秘訣は人々の生活信条にある。
  2. 平均的なイギリス人の生活態度は、1)質素な食生活、2)ゆとりのある田舎暮らし、3)古い家具を使い続け、お金が あっても理屈に合わない使い方をしない、などなど。
  3. 一方で、日本人は、1)豊かな食材と健康に気を遣った食事で常にまわりの目を気にする、2)古いものは捨て常に新し い家具や生活用品に取り替える、3)お金をかけた観光地への旅行を好み、人との付き合いにお金をかける、などなど。
  4. これではいくら月給や年金があっても足らない。多くの人が老後の生活に不安を抱く。
  5. 本来豊かであるはずであるのに、不安感から抜け出せない日本の現状を見ていると、「豊かさとは何か」「幸せとは何 か」を今一度真剣に問い直す必要があると思う。

何でもかんでも農協のせいとは言いたくはないが、日本人の心の貧しさの多 くは、馬鹿高い高級魚やこだわり野菜を食べなければあなたは「負け組」で貧乏人だという農協や農業団体の宣伝から来るところが多いと思う。日本人も、イギ リス人を見習って、こと食生活に関してはもっと「質実剛健」で行くべきだ。さもないと、いつまでも心が貧しいまま、老後を迎えることになる。

2006年8月17日木曜日

秋月岩魚『警告!ブラックバス汚染』……怖い、バスではなくこういう人が怖い!



著者は、ずっと前から日本の「ブラックバスの完全撲滅」と「全国一律のバス釣り禁止」を主張している人物。これが多くの市民団体の支持を集めてバスを駆除する動きが全国に広がり、いまやバスが安心して住める場所は日本で芦ノ湖、河口湖、西湖、山中湖の4個所となってしまった。それでも著者はまったく不十分だとして「完全撲滅(全面駆除)」を執拗に主張する。イスラエルの生存権を認めないヒズボラみたいな人だ。

この本:
警告!ますます広がるブラックバス汚染
警告!ますます広がるブラックバス汚染秋月 岩魚 半沢 裕子

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stars気分が悪くなる
stars釣人でなくても気分が悪くなると思う。
stars駆除派のオピニオン本
starsバス問題の最新動向を理解するための決定的書

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散人は、最近山中湖で釣りを始めたばかりで、たまたまいる魚がバスだったというだけのバス釣り人。ブラックバス問題については十分に知っていると言うつもりはないし、バス釣りについてそれほどの思い入れもない。でもこの本を読んで、その内容以上に、著者の狂信的とさえ言える「自分は絶対に正しい」スタイルに辟易した。著者は、彼がバス容認派と見なす人物については、政治家、学者、釣り業界関係者、漁協関係者、政治家、マスコミ人、作家の開高健、漫画家矢口高雄、さらには一般人のバス釣り愛好家など、一人一人実名を上げて、執拗に攻撃する。中には人格攻撃と見なさざるをえないようなものまである。ナチの「民族浄化」運動すら思い浮かべてしまった。彼の熱狂的支持者も多いようだ。日本はいつからこんな国になったのだろうか。

散人としては、この本の中で否定的に引用されている吉田幸二氏の次の文章によほど共感した(小学校の先生の言葉の引用):
「みんなには『自分の大切なもの』がありますか?(中略)ぼくにとって、大切なものは、趣味である『釣り』です。
今、好きな釣りは『ブラックバス』という魚を釣ることです。実は、日本に昔からいた魚を食べてしまう!!といわれていて、一部の人たちから嫌われている魚でもあるのです(社会の授業で話したね!)よく、『悪い魚なんでしょ?』とか『釣ったら退治した方がいいよ!』とか言われます。そんな時には、『地球上に悪い魚なんていないよ! 人間にとって都合の悪い魚はいるけどね……』と答えることにしています。

ブラックバスもアメリカでは美味しい魚として食べられている。日本でももっと食べるようにすると、みんな親近感が湧いてくるんじゃないかな〜。ニジマスも鯉も全部外来魚だそうだ。でも食べる習慣があるから許して貰っている。西湖にはブラックバスを食べさせるレストランがあるそうだ。今度探していってみよう。

追記:山中湖ではブラックバスとワカサギが共存関係にある。ワカサギはブラックバスの餌だが、さすがのブラックバスも食べきれないほどたくさんいるので、いっこうに減らないとのこと(ハーバーマスターの言)。

2006年8月8日火曜日

〔再録〕荷風は釣りが好きだった!


荷風は釣りが好きだった!



荷風が釣りについて書いていた とは知らなかった。今日読んでいた本で偶然に知った。「釣りこそ究極の楽しみ」と書いていると。大発見。


読んだ本とはこの本:
麦わら帽子の釣り本散歩
麦わら帽子の釣り本散歩大 崎 紀夫

三樹書房 1999-11
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釣りについて書いた本を列挙したものだが、その中で荷風の友人だった日高 基裕の『釣りする心』という本を紹介している。この本の序を荷風が書いているというのだ! 曰く:
この本を開いたとき「序荷風散人」とあるのには、本当に驚いたものである。
「災を世に貽さず苦しみを人に与えずしかも独り能く娯しむことを得るものは世に少なし」と書き出し、敬神念仏ごときは神輿をかついでうるさいし、仏の道も 法華の太鼓の如くうるさい。ラジオの浪花節、救世軍のラッパも騒がしいといかにも荷風らしいことを言って、人に迷惑をかけずに独り楽しめるものは「詩賦と 浣花と釣魚との三事なるべし」といっている。しかし、下手くそな詩賦は人に笑われるし、結局、下手でも人が笑わないのは「魚を釣り花をううる娯しみ」の二 つだと断言し、この二つが究極の楽しみではないかと結んでいる。

手元にある岩波旧版の荷風全集には、この文章は収録されていないようだ。 友人の趣味の本への序であり、お世辞も入っているかも知れず、実際に荷風が釣りをしていてそれが好きだったかは定かではないが、少なくとも否定的には見て いなかったと言うこと。

これで荷風を大先生と仰ぐ小生も堂々とバス釣りに専念できるぞ!

Posted: Tue - August 8, 2006 at 04:08 PM   Letter from Yochomachi   永井荷風       Comments (7)

2006年8月2日水曜日

清水國明『釣戦記、ブラックバス琵琶湖リリース禁止裁判』……何だかユウツになる読後感


バス釣りの本かと思ったら、ブラックバス虐め集団ヒステリーに果然として立ち上がった一人のドンキホーテーのお話し。しょせん多勢に無勢、勝ち目はない。でもこういう人がどんどん出てこないとニッポンの将来は危うい。

この本:
Amazon.co.jp: 釣戦記—ブラックバス琵琶湖リリース禁止裁判: 本: 清水 国明: "「琵琶湖で釣ったバスはリリースしてはならない」魚を水に戻す自由を釣り人から奪う滋賀県の条例に異を唱え、行政訴訟を起こした著者が、第1回公判までの軌跡をつづる渾身のドキュメント。その過程で明らかになってくる、さまざまな事実。琵琶湖を本当に破壊し、食い物にしてきたのは誰だったのか。 "

日本のほとんどの動植物は外来種だ。家畜もそうだし、皆が楽しんでいる植物もそうだ。当然お魚の多くも外来種。人間だってそうだ。ブラックバスも外来魚だが、いまや日本の自然の一部となっている(ニジマスやアユや鯉と同じ)。セイタカアワダチソウもそうだ。アメリカザリガニも。ウマも西洋犬もそうだ。ところがブラックバスについては日本攘夷思想の憎むべき対象となってしまった。

こういう科学的な議論は別にして、ブラックバスを殺したくないと感じる人達にリリースを禁止して殺すことを強制する滋賀県の条例は、普通に考えて明らかにおかしいと思う。ところが清水国明がこれを言ったとたん、彼のHPは数万件の罵詈雑言書き込みで閉鎖に追い込まれたという。明らかに集団ヒステリーが日本を支配している。

NHKの朝ドラ「純情きらり」は近年にない良い朝ドラである。芝居としてもすぐれているし、演技が本格的。主人公もとてもいい。何よりもいいのは、日本にもああいう時代(一億総火の玉、反対するのは非国民という時代)があったということを見せてくれること。

「ブラックバスは悪者、全部殺してしまえ」というPTAおばさんが大好きな環境「主義者」の主張も、これ似ている。「異文化であるブラックバスを排斥することはいいことなのだと」いう主張が、利権団体とその御用環境学者の連携プレイのおかげで、ニッポンの「隣組」思想として確立してしまっているのである。

このようなアホな議論を続けざるをえないことで、日本国は壮大なエネルギーの無駄遣いをしているのだ。これじゃ国際競争に負けるわ。